糸巻文庫

古代人の声をカタチにして、あなたに届けます

⑥稲村真耶さんとシルクロードからの誘い◀︎フェイバリット・クリエイターズ2019

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稲村真耶さん。

とてもメジャーな、器の作家さんです。

全国のおしゃれ器やさんから、引っぱりだこ。

 

真耶さんの器は買ったことがありませんでした。

でもこちらの花散らし紋様のお皿の写真を見たときに

「えっ?」と心に引っかかるものがあり…

というのは、一見、この散らされた小花のラフさ加減に驚いたんですね。

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言葉選ぶのが難しいですね、何かこう、試し書き風な…

(魅力を伝える、あえての例えです!)

だけど確信を持ってこの表現をされている、

真耶さんご本人にとても興味が湧いてきたんです。

 

衝動買いはいけないと思い、何日も何日も、

ネットショップの写真を眺めていました。

そうすると、もうこのクチャっと散らされた小花が

ものすごい存在感を出してきまして

実物を見ずには済まされない気持ちになってきました(笑)

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注文して包みをひらいたとき、またしても「えっ。」と驚かされたんですね。

軽やかなんです。

真耶さん、器界の重鎮だとこちらは構えておりますのでね、勝手ながら思い込みで。

その思い込みを軽く超えてこられたんです。

なんというか、作り込んでない、引き算の器だったんです。

 

それでいて、使い心地のよさがピタッとはまってものすごく気持ちいい。

 

…はまりました、完全に、真耶さんに降参でした。

 

目をハートにして花ちらし皿を使っていると、今度はこのなます皿が私の視界に飛び込んできたんですね。

お財布崩壊です。

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このゆる〜い牡丹の花模様。

江戸後期〜昭和初期を私は連想するのですが、古い中国のものにも共通する模様かもしれません。

型どりがまた秀逸で、立ち上がりが深いのがとても良いです。

白ごはんの横に、残り物のおかずをいくつかミックスで添える、素っ気ない食べ方をするときなんかにこのなます皿を使うと、ほっこり優しい気持ちになります。

 

以下、真耶さんの沼です。

 

↓瑠璃色のツヤとオリエンタルな雰囲気の形が素敵な小皿。

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↓壺の形を模しているのでしょうか?

この小皿を見たとき、日本と中国を飛び出して、シルクロードの道を縦横無尽にかけめぐる真耶さんの楽しそうな心の動きが私の胸に迫ってきました。

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後に、真耶さんご本人の言葉をwebを通して拝見することになります。

 

【シルクロードを伝ってやってきた美しい器、模様、それを拙いながらも一生懸命に「写す」という作業をしながら自国の文化に取り込んでいった、名もない陶工たちに思いを馳せる。その時代の空気感を、拙いままに自分の器にあらわしてみたい。】

 

すみません、これはご本人の言葉ではなく完全に私の記憶だけにたよった、イメージとしての言葉です。

だけど主旨はだいたいこんな感じだったと思います。

真耶さんは、【拙さ】という古い時代の空気感をそのままに、今の時代に届けてくれる架け橋のような役目をされてるんですね。

たしかな意思、高い技術力に裏づけされた、繊細な表現なんだと腑に落ちました。

 

日本、中国、東洋全体、そしてヨーロッパ。

私の専門はこれ、と決めることはせず

ご自分の感性の赴くままに

美しいものを取り込んで「稲村ワールド」を展開されている真耶さん。

 

真似させてほしいと思いました。

私も、シルクロードの道を丁寧に歩いて

宝物を一つ一つ見つけていく、味わっていく、

そんなことをしたかった、気づけてよかったと思いました。

 

真耶さんに限らず、器の沼は底無し沼です。

最後に一枚だけ、シルクロードを行くお守りのようなこの小皿を買って、器のショップサイトはもう覗かないことを決めました(笑)

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真耶さん曰く

「こんな形の花瓶、あったら絶対に倒れますが(笑)」

…という、 ユーモラスな花瓶の絵。

 

可愛いすぎでしょう。悶え死に。

同じ小筆を使ってるなら、私にも染付けできるかな?

と模写とかして遊んでしまいました。

 

⑦に続く